特別展 知られざる近代九谷の名工 谷口駒吉 開催!
2020年01月25日
特別展を開催しています
〔特別展名〕
特別展 知られざる近代九谷の名工
谷口駒吉
〔主旨〕
明治時代、江沼郡の大聖寺(現在の石川県加賀市大聖寺)に谷口駒吉(たにぐち・こまきち)という一人の九谷焼の職人がいました。駒吉は、色絵・五彩手、赤絵細描、青手、大聖寺伊万里、中国写し等々を制作し、卓抜した技術を持ちながら、名を馳せる前にこの世を去りました。
本特別展では、362点を数える遺作及び関連資料の中から厳選して132点を展示し、谷口駒吉の偉業を顕彰します。駒吉の菩提寺である石川県加賀市直下(そそり)町の上宮寺(じょうぐうじ)には、駒吉が寄進した自作の香炉が大・小のセットで寺宝として残っています。この香炉は駒吉の銘が入る貴重なものであり、今回これを特別に寺外展示します。この香炉の他には現在までのところ、本人の銘が入ったものは確認されていません。世の中には確実に駒吉の作った作品がありながら、「これが駒吉の作品である」と断定できるのは、現在、駒吉の子孫たちが所有している「駒吉作品」以外にはありません。本特別展にあわせて発行される図録では、これらの「駒吉作品」のすべて及び、「下絵」と「下書きのための型紙」等の関連資料を収録しました。
本特別展を通して、九谷焼職人として名を残すことは非常にまれであり、駒吉のように、素晴らしい技術を持ちながらも無名であった大勢の陶画工たちに思いを馳せていただきたいと思います。
〔会期〕
令和2年1月25日(土)~令和2年3月29日(日)(※3月22日(日)までだった当初の会期を延長しました)
〔お知らせ〕
特別展期間中、以下のとおり、ギャラリートーク(要入館料)及び、2回の講演会(2回とも聴講無料)を開催いたします。
〔ギャラリートーク情報〕
当館担当学芸員によるギャラリートーク
令和2年1月25日(土)
※ギャラリートークの時間は13:30~14:30、会場は石川県九谷焼美術館1階企画展示室。事前申し込み不要。直接会場にお越しください。要入館料。
〔講演会情報〕
記念講演会その1
「祖父・谷口駒吉のこと」
令和2年2月15日(土)
奥出 清江氏(元日本女子体育大学助手、元石川県立高等学校教諭、谷口駒吉の孫)
ーおくで きよえー
昭和18年、石川県加賀市生まれ。大聖寺高校在籍中、軟式庭球でインターハイ(新潟)及び国体(秋田)に出場。日本体育大学卒業後、日本女子体育大学助手。その後約4年間、東京理科大学教育生理学研究室(正木健雄教授)にて研究員。当初は大学機関の研究者を目指していたが、結婚を機に地元石川に戻り、公立小学校の講師を経て、公立高等学校の教員となる。主要論文に、「ピストル号砲における驚愕反応の「脳波とGSR」の研究」(日本体育大学、1966)、「運動開始からsteady steatに至るまでの酸素摂取量の変化の研究」(日本体育学会、1986)、「陶芸家谷口駒吉・父清を偲んで」(『加賀高校図書館報第21号』1996)、「古九谷美術館をめぐって」(『硲伊之助美術館友の会会報第17号』2000)等がある。谷口駒吉の孫。
記念講演会その2
「谷口駒吉の技術力」
河島 洋(日本工芸会正会員・紫々唐陶房代表)
令和2年2月29日(土)
ーかわしま ひろしー
昭和26年、石川県加賀市生まれ。中島珠光氏、三代德田八十吉氏に師事。日本工芸会正会員、石川県九谷焼美術館運営委員会副委員長、加賀市美術協会副理事長、石川県陶芸協会理事、紫々唐陶房代表、九谷焼作家。主要論文に、「古九谷伊万里論争を憂いて」『石川県九谷焼美術館紀要 九谷を拓く 第1号』(石川県九谷焼美術館、2018)、「焼物探求」『石川県九谷焼美術館紀要 九谷を拓く 第2号』(石川県九谷焼美術館、2019)等がある。
※講演会はいずれも、聴講無料、時間は13:30~15:00、会場は石川県九谷焼美術館2階ホール、事前申し込み不要、直接会場にお越しください。定員約60名先着順。
講演を聴講された方には次の特典があります。
[1]会期中の1つの講演会参加ごとに、入館料560円→280円の特別割引券進呈
[2]会期中の2つの講演会参加で、特別展「特別展 知られざる近代九谷の名工 谷具口駒吉」の図録進呈