加賀九谷焼展

展覧会について イベントのおしらせ 会場へのアクセス

開催にあたって

九谷焼が、加賀国江沼郡の九谷村(現石川県加賀市山中温泉九谷町)で作られてから、本年で360年となります。

今なお加賀の地で脈々と受け継がれる九谷焼360年の伝統を、最古の古九谷から現代九谷焼に至る名品をとおして、皆様にご覧いただきます。

この360年の間、九谷焼は発祥の地:九谷村から産地を広げ、やがて加賀の各地で作られるようになります。そして地域ごとに特色ある色絵付けの様式が生み出され、 今日では、バラエティ豊かで色鮮やかな作品の数々が、九谷焼というやきものの特徴と言われるようになっています。

本展覧会では、九谷焼の主要な産地である石川県加賀市・小松市・能美市の3つのまちのミュージアムが、それぞれの土地で生み出された特色ある様式の作品を「章立て」として紹介します。 3つの章をご覧いただくことで、九谷焼360年という「全編」を一挙に総覧できる、かつてないオムニバス形式の展覧会となっております。

会期

平成27年10月3日(土)~ 12月20日(日)

開館時間

9:00 ~ 17:00(入館は16:30まで)

休館日

月曜日
祝日の翌日(石川県九谷焼美術館は開館)

入館料

600円(3会場共通入館券)
各会場単独の入館料は、各館ホームページをご参照ください。
(2会場以上をご覧になられる場合は、共通入館券のご利用がお得です)

会場

百合図平鉢 吉田屋窯

【加賀の章~古九谷・吉田屋 青手九谷の世界~】 石川県九谷焼美術館

青手と呼ばれる上絵付けのスタイルは、他の色絵磁器とは懸け離れた異彩を放つ青手古九谷にはじまり、多彩な教養を身につけた豪商:吉田屋伝右衛門の趣味が反映された和漢両様の吉田屋九谷、 そして、青手古九谷を明確に意識した深い緑釉と吉田屋窯の流れを汲む繊細な描写をあわせた、幕末松山窯の九谷焼に至ります。 近世において加賀大聖寺藩のもとで創り出された、九谷焼の「青の美の世界」をご紹介します。

粟生屋源右衛門

【小松の章~再興九谷の系譜~】 小松市立博物館錦窯展示館

江戸後期の文化年間から明治初頭まで、半世紀以上の長きにわたって稼働をつづけ、後世活躍する名工を数多く輩出した再興九谷の名窯:若杉窯と、 多くの再興九谷窯の運営に携わり、自らも造形の細やかな作品を生み出した粟生屋源右衛門、小松の地に由来する再興九谷の「窯とヒト」に焦点を当て、両者に関わり深い九谷焼作品を紹介します。 さらには現代九谷焼の中でも独自のスタイルを確立した三代徳田八十吉の作品をご覧いただきます。

九谷庄三

【能美の章~赤絵金襴とその系譜~】 能美市九谷焼資料館

能美の地で九谷焼が栄えたのは、幕末に活躍した斎田道開と九谷庄三の存在が大きな要因と言えます。なかでも九谷庄三は、赤絵に金襴を多用した華やかな画風を確立し、 海外でのジャポニズムの流行と相まって大いにもてはやされました。幕末から明治・大正にかけて世界を席巻した近代九谷焼“ジャパンクタニ”を中心に展示し、 明治維新という大きな時代の転換を迎えた我が国にあって、海外へと視点を切り替える必要に迫られた画工たちの努力を、その画風の変遷から見つめます。